公開日: / 更新日: / 情報確認日: 2026-07-06

マットレスは中身の構造から見ると迷いにくい

マットレスを比べ始めると、値段やブランド名ばかりが目に入りがちですが、最初に押さえておきたいのは「中身が何でできているか」という構造の違いです。構造が決まると、通気性・重さ・洗える範囲・価格帯といった使い勝手の大枠がおおよそ決まってくるからです。

市販されているマットレスの中身は、大きくウレタンフォーム・ポケットコイル・ファイバーの3タイプに分けられます。さらに、これらを重ねて組み合わせたハイブリッドタイプもあり、実際の売れ筋モデルの多くはこの4分類のどれかに当てはまります。

この記事では、それぞれの構造がどう体を支え、通気性や手入れのしやすさ、価格にどう影響するのかを、コアラ・NELL・アイリスオーヤマ エアリー・エマなど実在するモデルの公式表示をもとに整理します。効き目の話ではなく、あくまで素材と構造という物理的な特性の話として読んでください。硬さの数値そのものの見方は、マットレスの硬さ(N値)の見方で別途まとめています。

関連: マットレスの硬さ(N値)の見方

ウレタンフォーム:素材そのものを成形して支える

ウレタンフォームは、発泡させたウレタン素材を層状に成形して体を支えるタイプです。バネを使わないぶん、面でむらなく支えやすく、きしみ音が出にくいのが構造上の特徴とされます。反発力の違いで高反発・低反発に分かれ、寝返りのしやすさや沈み込み方が変わります。

実在モデルで見るウレタン構造

たとえばコアラマットレス オリジナルは、CertiPUR-US認証ウレタンを使った3層構造で、公式表示では下層に265Nの高反発フォームを用いたかための寝心地とされています。LIMNE the Mattressはトップ25N/ミドル120N/ボトム140Nと層ごとのN値を公式表示した日本製の3層ウレタン、モットンは高反発ウレタン単層(ナノスリー)の厚み10cmと、同じウレタンでも層の数や厚みは製品によって幅があります。

ウレタンは素材の密度で寝心地も耐久性の目安も変わるため、厚みだけでなく層構造の説明を公式ページで確認しておくと選びやすくなります。一方で、素材の性質上は熱がこもりやすく通気に配慮が必要とされることが多く、多くのモデルで本体の丸洗いはできません。設置環境によっては、すのこや除湿シートと組み合わせて湿気を逃がす使い方が案内されています。

ポケットコイル:独立したバネで点で支える

ポケットコイルは、コイル(バネ)を一つずつ不織布の袋に包み、それを敷き詰めた構造です。バネが独立して沈むため、体の凹凸に沿って点で支えやすく、隣で寝ている人の動きが伝わりにくいのが構造上の特徴とされます。コイルの数が多いほどきめ細かく支えられる傾向があり、各社はコイル数を公表しています。

NELL マットレスはシングルで1,173個のポケットコイルを使い、腰部と四隅を硬めにしたセンターハード構造を公式表示で採用しています。GOKUMIN プレミアムスプリングはポケットコイル496個と高反発ウレタンを組み合わせた厚み20cmで2万円台前半、ニトリ Nスリープ プレミアム P1-02CR VBは2層のポケットコイル計1,080個で厚み約29cmと、価格帯とボリュームの幅が広いのがコイル系です。

コイルの間に空間があるため、ウレタンやファイバーに比べて通気性を確保しやすいとされる一方、金属バネを内蔵するぶん重量は増えやすく、厚み約29cmクラスになると搬入や設置に配慮が必要になります。側地が取り外せず洗濯できないモデルも多いので、手入れの範囲は購入前に確認しておきたいところです。

ファイバー:樹脂繊維を絡めた通気重視の構造

ファイバーは、ポリエチレンなどの樹脂を細い繊維状にして立体的に絡めた中材です。繊維の隙間が多く空気が通り抜けやすいこと、そして中材そのものを水で洗い流せる製品が多いことが、ほかの2タイプにはない構造上の特徴です。

アイリスオーヤマ エアリーマットレス MARSR-Sは、樹脂繊維の3D構造(エアロキューブ)を使った厚み約5cm・三つ折りのモデルで、約4.5kgと軽量です。公式表示では中材の手洗いとリバーシブルカバーの洗濯に対応し、通気性に配慮した構造とされています。清潔さと扱いやすさを重視する人や、来客用・二台目を探している人が候補にしやすいタイプです。

ただしファイバー単体のモデルは厚みが薄めのものが多く、フローリングに直接置くと床の硬さを感じやすい場合があります。厚み約5cmのように薄型のものは、床やベッドフレームの状態に配慮したり、敷き布団やベッドマットレスへの重ね使いを前提にしたりすると使いやすくなります。

ハイブリッド:コイルとウレタンを組み合わせる

ハイブリッドは、ポケットコイルの上にウレタン各層を重ね、コイルの支持力とウレタンの表面の当たりのやわらかさを両取りしようとする構造です。層が増えるぶん厚みが出やすく、寝心地の設計自由度が高いのが特徴とされます。

エマ・ハイブリッド V2nは、メモリーフォーム・Airgocell・HRXフォームといったウレタン各層と、7ゾーンのポケットコイル(257個/㎡)を組み合わせた6層構造で、厚みは26cmと最厚クラスです。公式表示ではふつうの硬さとされ、カバーの洗濯にも対応します。層が多く厚みもあるため、そのぶん重量は増えやすく、設置スペースや搬入経路の確認が必要になります。

「コイルの弾力もほしいが、表面はやわらかく当たってほしい」という希望に応えやすいのがハイブリッドの立ち位置です。反面、構造が複雑で価格も上がりやすいので、どの層に何を求めるのかを公式の層構造の説明で確認してから選ぶと納得しやすくなります。NELLとコアラのように構造そのものが違うモデルを比べたいときは、NELLとコアラの比較もあわせて参考にできます。

関連: NELLとコアラの違いを比べる

通気性・重量・洗える範囲・価格帯はこう変わる

構造が違うと、日々の使い勝手も変わります。おおまかな傾向を、通気性・重量・洗える範囲・価格帯の4つの軸で並べると、自分がどれを重視するかを整理しやすくなります。あくまで一般的な傾向で、同じタイプでもモデルによって差がある点は前提として押さえてください。

構造タイプ通気性の傾向重量の傾向洗える範囲の傾向価格帯の傾向
ウレタンフォーム熱がこもりやすく配慮が必要軽〜中程度カバーのみ洗濯可が多い(本体不可)2万〜8万円台と幅広い
ポケットコイル空間があり通気を確保しやすい重くなりやすい側地取り外し不可のモデルも多い2万〜8万円台と幅広い
ファイバー繊維の隙間で通気しやすい軽量中材を水洗いできる製品が多い1万〜3万円台が中心
ハイブリッド層により配慮が必要厚く重くなりやすいカバー洗濯可・本体不可が多い5万〜7万円台が中心

たとえば「手入れのしやすさ最優先」ならファイバー、「二人で使って揺れを抑えたい」ならポケットコイル、「面でしっかり支える寝心地」ならウレタン、というように、重視する軸から逆算するとタイプを絞り込みやすくなります。価格はいずれも2026年7月時点の公式表示をもとにした目安で、セールや仕様変更で動くため、購入時点で各公式ページを確認してください。

なお、どのタイプにも返品保証やトライアル期間の条件が絡みます。合わなかったときの返品のしやすさは構造とは別軸で効いてくるので、各社のトライアル条件の比較とセットで見ておくと失敗しにくくなります。

関連: 各社の返品保証・トライアル条件を比べる

よくある質問

通気性がいちばん高いのはどの構造ですか?

一般的な傾向としては、繊維の隙間が多いファイバーが通気を確保しやすいとされ、次いでコイルの間に空間があるポケットコイルが挙げられます。ウレタンフォームは素材の性質上、熱や湿気がこもりやすいと案内されることが多く、すのこや除湿シートと組み合わせる使い方が紹介されています。ただし同じ構造でもモデルごとに差があるため、各公式ページの説明を確認してください。

洗えるマットレスがほしいのですが、どれを選べばよいですか?

中材そのものを水で洗い流したい場合は、アイリスオーヤマ エアリーのように中材の手洗いに対応したファイバー系が候補になります。ウレタンやコイル系の多くは本体を洗えず、カバーのみ洗濯可、あるいは側地取り外し不可のモデルもあります。「本体を洗いたいのか」「カバーだけ洗えればよいのか」を切り分けて、公式表示の洗える範囲を確認するのがおすすめです。

厚みがあるほど良いマットレスということですか?

厚みは寝心地やボリューム感の目安にはなりますが、厚い=優れているとは限りません。ファイバーの厚み約5cmのように薄型でも軽さや洗いやすさで選ばれるモデルもあれば、ハイブリッドの厚み26cmのように層を重ねてボリュームを出すモデルもあります。厚みは搬入や設置のしやすさにも関わるので、自分の使い方に合うかどうかで判断してください。

構造を押さえたら次に見るポイント

マットレスは、まず中身の構造がウレタン・ポケットコイル・ファイバー・ハイブリッドのどれかを押さえると、通気性・重量・洗える範囲・価格帯の大枠が見えてきます。そのうえで、重視したい軸から自分に合うタイプを絞り込んでいくのが、遠回りに見えて近道です。

構造の次に確認したいのが、同じタイプの中でどれくらいの硬さかという点です。硬さの数値であるN値の見方や、体重に対する硬さの一般的な目安は、マットレスの硬さ(N値)の見方で整理しています。気になるモデルが見つかったら、掲載中のマットレス一覧から公式表示の構造・硬さ・返品条件を確認してみてください。

関連: マットレスの硬さ(N値)の見方